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中小製造業の収益を改善する生産管理クラウドシステム

製造業の競争力を高める!受注管理システムと工番管理の重要性

製造業において受注管理は単なる事務作業ではありません。売上の入り口であり、生産・納品・請求・利益確保のすべての起点となる重要な業務です。ところが、多くの中小製造業では、受注情報が営業や生産、経理などでバラバラに管理されており、工場の“勘と経験”に頼る経営が続いています。

こうした現状を抜本的に改善するのが「受注管理システム」です。特に重要なのは、案件ごとに粗利をしっかり管理できる“工番管理”機能です。今回は、製造業が受注管理システムを導入する意義と、粗利を見える化するための工番管理の重要性について詳しく解説します。

受注管理システムとは何か?

受注管理システムとは、製造業の受注業務を一元管理し、受注から生産、出荷、請求までの流れをデジタルで統合する仕組みです。従来の手作業やExcelベースの管理では発生しがちなミスや漏れを防ぎ、情報のリアルタイム共有を可能にします。

材料費や外注加工費だけでなく、工程ごとのコストや工数を案件単位(工番単位)で管理する機能を備えていれば、粗利管理が飛躍的に向上します。

補足:「工番」とは?

「工事番号」「工程番号」などの略で、製造業では「ひとつの受注や製造案件に対して付けられる管理番号」のことを指します。他の業界では一般的には「案件番号」と呼ばれることが多いかもしれません。

工番管理で粗利を確実に見える化

製造業では「案件ごとの収支」が経営の生命線です。売上だけでなく、案件ごとにかかった材料費、外注費、工数、人件費、間接費を工番単位で正確に把握することで、はじめて「利益が出たのか、赤字だったのか」が明確になります。

例えば、同じ製品でも顧客ごとに単価が違ったり、仕様変更で工数が増えていたりする場合があります。案件ごとに工番を設定し、見積時点での予定原価と実績原価を対比することで、利益確保のための改善ポイントが具体的に見えてきます。

工番管理を行うことで以下のようなメリットがあります。
– 粗利率が低い案件を早期に発見し、価格見直しや工程改善ができる
– 同じ工程でもどの案件で手戻りや無駄が多いか分析できる
– 経営層が月次で粗利状況を確認し、戦略的に受注活動ができる

案件(製品)ごとの利益が見えると意思決定が変わる

案件別の粗利を把握できるようになると、日々の意思決定の精度が向上します。たとえば、粗利率の低い製品群に対しては生産工程の見直しを行い、高利益率の製品にリソースを集中させるなどの戦略的な判断ができます。

また、赤字案件が続く顧客については、価格交渉や取引見直しを検討することも現実的な選択肢になります。こうした積み重ねが、企業全体の収益体質強化につながるのです。

FactoryAdvanceでは案件毎、製品毎の収益性の分析が可能です。

FactoryAdvanceでは、標準搭載している「収益性分析レポート」機能により工番(製品毎/案件毎)に収益性の分析が可能です。

収益性分析レポート

工番管理ができる受注管理システム導入のメリット

工番管理ができる受注管理システムを導入することで得られるメリットは非常に多岐にわたります。

– 営業・生産・経理間での情報共有がスムーズになりミスが減少
– 工番単位での原価・粗利管理により、採算意識が浸透
– 経営層がリアルタイムに売上・粗利状況を把握し、戦略的意

原価管理の重要性については、よく言われることですが、原価管理だけでは片手落ちです。工番管理により受注価格と原価を紐付けることで収益管理をしていくことが重要だと考えます。

まとめ

「受注管理システム」は単なる業務効率化のためのツールではありません。粗利を確実に確保し、企業の利益体質を強化する経営基盤です。特に、案件ごと、製品ごとの利益を見える化する“工番管理”は、中小製造業にとって欠かせない視点です。

どの案件で儲かり、どこで損をしているのか。それを数値として把握できれば、改善の方向性は自然と見えてきます。現場での実行力と経営視点を両輪とする経営改革の第一歩として、ぜひ受注管理システムの導入を検討してみてください。

収益管理について、「中小製造業向け収益管理実践ガイド」でも詳しく解説しています。ぜひ、ダウンロードしてご覧ください。

投稿者プロフィール

尾畠悠樹
尾畠悠樹株式会社イーポート代表取締役  ITコーディネーター/キャッシュフローコーチ
FactoryAdvanceの開発販売を通して製造業の収益改善・DX推進に貢献したいと思っております。中小製造業の企業価値を高めるプラットフォーム「FACTORY SEARCH」の運営も行っています。プロフィールはこちら