Factory Advance

中小製造業の収益を改善する生産管理クラウドシステム

小規模製造業がすぐに取り組めるシンプル原価管理

原価管理の重要性は分かっていても、実際には後回しにされがちなテーマです。小規模製造業では、売上や納期対応に追われるあまり、原価を細かく把握できていないという声をよく耳にします。

しかし、原価管理をおろそかにすることには、目に見える以上に大きなリスクが潜んでいます。

今回は、原価管理ができていないことで起きる5つのリスクと小規模製造業がすぐにできる原価管理法ついて解説します。

原価管理ができていないと起きる5つのリスク

赤字受注を繰り返すリスク

原価を把握できていないと、見積作成時に実際にかかるコストを正しく反映できません。

結果として、想定よりも低い価格で受注してしまい、納品後に赤字が判明するケースが頻発します。

本来原価に含めないといけない間接製造経費や販管費が見積に含まれていない事例が多々あります。

これを繰り返すと、知らず知らずのうちに会社全体の収益構造が悪化していきます。

正確な見積りができず、失注を招くリスク

逆に、安全を見越して高めに見積を出すと、今度は価格競争に負けて失注してしまうリスクもあります。

市場価格に対して自社の適正価格を把握できていないと、チャンスを逃すことにもつながります。

適切な原価把握は、適正な価格設定と受注率向上のためにも不可欠です。

経営判断を誤るリスク

設備投資、人員増強など、経営の重要な意思決定には、必ずコストと利益の見通しが関わってきます。(原価がわからないと収益がわかりません)

原価情報が不正確だと、誤った判断をしてしまい、赤字プロジェクトへの突入や資金繰り悪化といった事態を招くリスクがあります。

数字に基づく正確な情報こそ、経営を支える基盤なのです。

営業と製造現場の対立を招くリスク

原価が見えていないと、営業部門と製造部門の間に不信感が生まれやすくなります。

「営業が無理な納期・単価で取ってきた」「現場が非効率でコストがかかりすぎている」など、責任の押し付け合いが起きている話もよく聞きます。

原価の見える化は、経営者-営業部門-製造部門といった部門間の共通認識をつくり、組織全体の連携を強化する役割も果たします。

顧客との価格交渉で不利になるリスク

取引先から値下げ交渉を受けたとき、自社の限界原価を正確に把握していなければ、どこまで譲歩してよいか判断できません。

場合によっては、知らずに赤字で受注してしまうことも。原価を把握していれば、「ここまでは対応できる」「これ以上はできない」と自信を持って交渉できるようになります。

取引先(メーカー)によって原価算出の方法や考え方はことなりますが、大手企業になればなるほど細かい見積明細を要求されます。

普段から、ある程度根拠のある原価算出をしておくことで、大手企業との価格交渉にも対応できるのではないでしょうか。

原価管理ができていないと以上のようなリスクがあると考えます。

小規模製造業が今すぐ取り組めるシンプル原価管理

では、どのように原価管理を行えばよいのでしょうか。原価管理の重要性は理解していても、いざ取り組もうとすると「何から始めればいいか分からない」という声が多く聞かれます。

特に小規模製造業では、リソースが限られているため、複雑な原価計算を行うのは現実的ではありません。

ここからは、小規模製造業でも取り組める原価管理の方法についてまとめていきます。

まずは「案件単位」で管理を始めよう

最初に取り組むべきは、製品単位、受注単位で原価を把握することです。具体的には、案件ごとに次の3つのコストを記録するだことです。

・材料費:部品や素材の購入費用
・外注費:外部に依頼した加工費用
・作業時間:作業者及び機械が稼働した時間

この3つをシンプルに集計するだけで、案件ごとの粗利が見えてきます。

コストは「案件別」に集計する

現場では、必要な材料を都度購入したり、外注依頼をしたり、都度処理しているケースが多いですが、これでは案件ごとのコストが見えにくくなります。

受注ごと、製品ごとに必要な材料費をまとめて集計し、案件別に紐づけて管理しましょう。

そのために必要なのが案件毎に割り振られた案件番号(工番と呼んでいる会社もあります)です。

作業時間に正確さを求めすぎない

作業時間があれば、アワーレートをかけることで、労務費や機械設備費を計算することができます。

アワーレートの計算方法は「中小製造業向け収益管理実践ガイド」をご参照ください

作業時間を正確な時間で記録するのは大変ですので、まずはざっくりでも構いません。たとえば「A案件は1人で5時間」「B案件は2人で3時間ずつ」といった形で、作業時間を記録します。

工程分析を行うことで、もう少し細かく、たとえば「A案件の 段取り時間〇〇分、加工時間〇〇分」というように細分化することも可能です。

最初から細かくしすぎると運用に支障がでますので、徐々に細分化することをおすすめします。

手間を減らすには「システム活用」が有効

紙やExcelで始めるのも良いですが、長期的にはシステム化を検討すると効率が大幅に向上します。

たとえば、FactoryAdvanceのようなシンプルな生産管理システムなら、案件単位で材料費・外注費・作業時間を自動で集計し、粗利計算まで一気通貫で行えます。

FactoryAdvanceでは、間接製造費用や販売管理費などもシンプルに計算する仕組みになっているので、材料費・外注費・作業時間の集計だけで営業利益ベースのレポートを出すことがかのうです。

工数登録も作業日報からデータを抽出するなどの方法で簡単に行えるため、現場負担を最小限に抑えながら原価データを蓄積できます。

まとめ:まずは「見える化」から、小さな一歩を踏み出そう

原価管理は難しいものではありません。材料費、外注費、作業時間の3つを案件単位で記録することから始めれば、小規模製造業でも十分に収益管理が可能です。

完璧を目指すよりも、まずは“ざっくりでも見えるようにする”こと。

そこから見積精度向上、儲かる仕事の見極め、業務改善へとつながっていきます。今日から、小さな一歩を踏み出してみましょう。

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投稿者プロフィール

尾畠悠樹
尾畠悠樹株式会社イーポート代表取締役  ITコーディネーター/キャッシュフローコーチ
FactoryAdvanceの開発販売を通して製造業の収益改善・DX推進に貢献したいと思っております。中小製造業の企業価値を高めるプラットフォーム「FACTORY SEARCH」の運営も行っています。プロフィールはこちら