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まだ手書き請求書?製造業で帳票業務を効率化する意義

いまだに手書きの請求書や注文書を使用している中小製造業は少なくありません。「今までこれで問題なかった」「慣れているから使いやすい」などの理由から、紙ベースの運用を続けているケースが多く見られます。

しかし、近年は取引先からの電子帳票対応の要請や、働き方改革・人手不足といった背景により、手書き管理の限界が顕在化しています。

本記事では、なぜ今「デジタル化・クラウド化」が求められているのかを、手書きの請求書・注文書の運用と比較しながら、製造業における帳票業務の改善ポイントを紹介します。

手書き請求書・注文書等の帳票運用の限界

手書きの請求書には、以下のような問題点があります。

・記入ミスや書き損じによる再発行の手間
・控えの保管やファイリングに時間とスペースがかかる
・転記作業や郵送コストなど、業務負荷が高い
・過去データの検索性が悪く、トラブル対応に時間がかかる
・取引先からの「PDFでほしい」「電子発行対応を」といった要望に応えづらい

これらはすべて、日々の業務効率を下げる要因となっています。

製造業こそクラウド請求書の恩恵を受けやすい理由

製造業は製品ごとに受注単価が異なり、納期やロットごとに明細や条件が変動するため、帳票業務が煩雑になりがちです。

そのため、請求書だけでなく、見積書・納品書との一貫した情報連携が必要です。

FactoryAdvanceのようなクラウド型の帳票システムを導入することで、次のような効果が得られます。

・見積→納品→請求までのデータ連携(リレー入力機能)により二重入力が不要に
・社内外どこからでも発行・確認が可能に
・請求書の電子PDF作成・メール送信対応で業務スピードアップ
・過去の請求履歴も簡単に検索でき、トラブル対応が迅速に

たとえば、ある小規模部品メーカーでは、紙ベースの請求書作成に1件あたり平均15分かかっていたところ、クラウド化によって5分以下に短縮。

月間100件以上の請求処理時間が3分の1になり、業務時間にして20時間以上の削減につながりました。

また、FAXや郵送に頼っていた顧客対応も、PDF送信とオンライン共有によってトラブルが減少。

「請求書が届いていない」「金額の確認が遅れた」といった問い合わせが激減し、信頼性も向上しました。

電子帳保存法への対応

2022年1月から施行された改正電子帳簿保存法により、請求書や領収書、納品書などの帳票を電子で保存・管理する際の要件が明確化されました。

特に製造業など取引量の多い事業者にとっては、以下の義務事項に対応することが求められます:

・PDF等で受け取った電子請求書は、電子のまま保存する必要がある(紙出力では不可)
・電子保存する帳簿・書類には、検索機能(取引日・金額・取引先など)が必要
・タイムスタンプの付与や、訂正・削除履歴の保存が必要(クラウド型システムで自動対応可能)
・保存場所や管理方法についての社内規程の整備が必要

違反した場合には、税務調査での指摘や罰則の対象となる恐れもあるため、クラウド請求書システム導入は法令対応の観点からも有効です。

請求書作成をシステム化する場合の注意点

納品書や見積書も一緒に連携して発行できるか?

請求書だけでなく、見積書→納品書→請求書という一連の流れに対応しているか確認が必要です。

消費税の端数処理は自社ルールに合わせられるか?

消費税の端数処理は、「切り捨て」「切り上げ」「四捨五入」のどれを選択しても問題ありません。自社が取り決めている端数処理の方法に合わせられるか確認が必要です。

メール送信やPDF出力はワンクリックでできるか

中小製造業では「システムが複雑すぎて使いこなせなかった」という導入失敗事例が少なくありません。シンプルな画面で操作性が良いか確認する必要があります。

帳票デザインのカスタマイズは可能か

取引先によって求められる書式が違う場合、自社で帳票レイアウトを編集できるかは重要です。また、Cロゴや取引条件、備考欄の追加・変更が簡単かどうかも確認しましょう。

法改正(電子帳簿保存法・インボイス)に自動対応しているか

消費税対応やインボイス番号(登録番号)の記載要件を満たしているか。免税事業者との取引にも柔軟に対応できるか確認が必要です。

まとめ|帳票業務の標準化・省力化により効率アップ

請求書は単なる書類ではなく、取引先との信頼関係を築く重要な「コミュニケーションツール」でもあります。

業務効率の向上だけでなく、トラブル防止・顧客満足度向上・法令対応といった観点からも、今後請求書などの帳票のデジタル化・システム化は避けられません。

製造業こそ、帳票業務の標準化・省力化によって、限られた人材でより付加価値の高い業務に時間を使える体制を整えるべきです。

今こそ、デジタル化の第一歩を帳票業務から踏み出してみてはいかがでしょうか。

投稿者プロフィール

尾畠悠樹
尾畠悠樹株式会社イーポート代表取締役  ITコーディネーター/キャッシュフローコーチ
FactoryAdvanceの開発販売を通して製造業の収益改善・DX推進に貢献したいと思っております。中小製造業の企業価値を高めるプラットフォーム「FACTORY SEARCH」の運営も行っています。プロフィールはこちら